虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)
虚血性心疾患とは
心臓に血液がいかない状態を「虚血性心疾患」といいます。
その代表となるのが、狭心症と、心筋梗塞です。
心臓に血液がいかなくなる原因は、冠動脈の動脈硬化です。
狭心症は、冠動脈が狭窄(すぼまって狭くなること)を起こし、心臓の筋肉の収縮に必要な血液を送りきれなくなると、心臓が酸素不足を起こし、胸痛などの症状を起こします。
心筋梗塞は、冠動脈が閉塞することで血液の流れが途絶してしまう疾患です。
虚血性疾患は、生活習慣病のひとつで、50~60歳代の男性に多く見られますが、40歳代でかかる人もいます。
八尾市の京井クリニックでは、循環器の専門医による診療が可能です。
狭心症の症状
急ぎ足、走る、慣れない旅行、怒りや興奮など、肉体的・精神的活動が高まると起こる「労作性狭心症」と、はっきりとした誘因がなく、睡眠中や安静時などに痛みが起こる「安静狭心症(冠攣縮性狭心症)」があります。後者の方が、痛みが強く、長く続きます。
心臓の筋肉に、一時的に血液が行かなくなり、心臓の筋肉が酸素欠乏状態を引き起こすので、胸痛の発作が起こります。
胸痛の持続時間は、数分~15分です。
みぞおち(心窩部)から左胸(左肩や左腕に及ぶことも有り)にかけて圧迫されるような痛みがある場合は狭心症の可能性があります。
「冷や汗をかくような痛み」「押される感じがする」「苦しい」など、人によって感じ方はさまざまです。
心筋梗塞の症状
安静時や就寝中、日常の軽い動作のときに、突然発作が起こります。
激しい胸痛におそわれ、痛みは胸の中央部に感じることが多いですが、胸全体やみぞおち、肩や腕、首などにも痛みを感じることもあります。
痛みは30分から数時間、ときには、数日にわたって続くこともあります。
速効性硝酸薬(ニトログリセン)はほとんど効きません。死の恐怖感や不安を感じます。
心筋梗塞が疑われる症状が現れたら一刻の猶予もありません。すぐに内科・循環器科のある病院で診察を受けてください。症状が重い時は救急車を呼びましょう。
冠攣縮性狭心症
「冠攣縮」とは、冠動脈のけいれんのことで、瞬間的に起こるため、病院で心電図検査を行ってもほとんど見つかりません。しかし、狭心症の6割に冠攣縮が関与しているといわれ、突然死も起こす恐ろしい病気であり、さらに日本人の冠攣縮性狭心症は欧米人に比べて約3倍多いといわれていることからも、早期発見、早期治療が大切です。
狭心症、心筋梗塞になりやすい人
冠動脈硬化の危険因子は、
・高血圧
・コレステロール値の異常
・中性脂肪値の異常
・喫煙
・高血糖(糖尿病、あるいは血糖値が高い)
・家族歴
などがあります。これらの中で該当するものが多いほど、リスクが高まります。
さらに、階段を上るだけで息があがる、胸が重くなる人も、早めに診察を受けるとよいでしょう。
また、仕事熱心な人、負けず嫌い、せっかち、激しい気性などの傾向にある人は要注意です。このような人は、強い緊張感やストレスにさらされているため、酒やタバコ、食べ過ぎが多く、冠動脈硬化を招きやすいのです。
こうした生活習慣を改めることで、予防につながります。狭心症と心筋梗塞、いずれも発作が起こると大変ですから、特に危険因子を複数抱えている人は、人間ドッグなどで定期的にきちんと調べることが大切です。
狭心症と心筋梗塞の検査
八尾市の京井クリニックでは、主な検査方法として、心電図、冠動脈CT、心臓カテーテルなどがございます。
心電図は、不整脈と同様、24時間心電図のデータをとることができる「24時間ホルター心電図装置」を付けていただくこと場合があります。必要に応じて軽い運動による負荷をかけることもあります。
24時間ホルター心電図装置を付けている間、安静の必要はありません。普段通りに過ごしてください。カテーテルは、細く柔らかいプラスチックの管です。血管の中に通し、血圧や血流を調べたり、造影写真を撮ったりします。
狭心症と心筋梗塞の治療
狭心症、心筋梗塞、いずれも、冠動脈に十分な血液が流れるように、回復させることが基本です。
狭心症は、狭心症の治療法は、症状の重さによって「薬物療法」「カテーテルによる治療」「外科的療法」に分けられます。
軽度であれば規則正しい生活、禁煙、休養などの一般療法を行うとともに、必要であれば動脈の働きを助ける薬物を使った療法が取られます。重度になると冠動脈バイパス手術などの外科的療法が必要となります。
心筋梗塞は、速効性硝酸薬(ニトログリセリン)がほとんど効きません。ただちに、入院が必要ですので、症状が重い時は救急車を呼びましょう。